[シドニー 3日 ロイター] - 豪連邦統計局が3日発表した第3・四半期の経常収支は79億豪ドル(53億6000万米ドル)の黒字と、黒字幅はアナリスト予想(63億豪ドル)を上回り、過去最大となった。アジア向け資源輸出の好調が米中貿易摩擦の悪影響を打ち消した。
同期の輸出は前年同期から14%増え、過去最大の1270億豪ドルに上った。鉄鉱石と金の価格上昇や液化天然ガス(LNG)生産の大幅増が寄与した。
ただ、輸出を担う大手資源会社は外資企業の傘下にあるため、利益の大半が海外に流出する。また、輸出の好調は量の増加ではなく価格上昇によるところが大きいため、物価変動の影響を除く実質国内総生産(GDP)には反映されない。
貿易・サービス収支はインフレ調整前で210億豪ドルの黒字に拡大したが、インフレの影響を除いた実質黒字は93億豪ドルにとどまった。
この結果、純輸出の第3・四半期GDP成長率への寄与度はプラス0.2%ポイントにとどまった。
この日公表された別のデータによると、政府支出の成長率への寄与度は0.3%ポイント前後となり、民間消費の弱さを一部相殺するとみられる。
4日公表予定の第3・四半期GDPは前期比0.5%増、前年比で1.7%増になると見込まれている。
3日はオーストラリア準備銀行(豪中銀、RBA)の理事会が開催される。