February 9, 2019 / 1:33 AM / 3 months ago

アングル:米小型株が相場けん引、それでもくすぶる債務問題

[ニューヨーク 5日 ロイター] - 昨年終盤の米株安局面では、小型株の下げが最もきつくなった。多額の借金を巡る懸念が背景だ。しかしその後は米連邦準備理事会(FRB)が利上げの早期停止を示唆し、米経済が近く景気後退入りすることはないとの見方が広がったため、小型株は年初からは相場上昇のけん引役となっている。

 2月5日、米小型株は年初からは相場上昇のけん引役となっている。NY証券取引所で1月撮影(2019年 ロイター/Brendan McDermid)

小型株は債務問題により敏感に反応する。こうした企業は固定金利の社債よりも、変動金利の銀行ローンで資金を確保するケースが多いためだ。

実際、昨年の金利上昇で借り入れの大きい企業の多くが返済に追われているとみられる。国際金融協会(IIF)のデータでは、返済が困難になっている企業の数は過去最高に近い。

しかも黒字が達成できていない企業の比率は、S&P総合500種.SPXでは1.4%にすぎないのと比べて、小型株主体のラッセル2000の構成銘柄では38.3%に上る。

ICE・バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの指数によると、昨年12月には社債と米国債の利回り差が、高利回り債と投資適格級債の両方で7年余りで最高の水準に拡大した。

しかし信用スプレッドが縮小し、投資家のリスク回避姿勢に和らぐ兆しが出てくるとともに、小型株は持ち直した。FRBが先週、しばらく利上げしない姿勢を示したことも追い風になった。

年初来の上昇率は小型株主体のラッセル2000とS&P600指数.SPCYがそれぞれ12.9%、12.1%に達しているのに対して、S&P総合500種は9%だ。

エドワード・ジョーンズの投資ストラテジスト、ケート・ウォーン氏は「金利がなお低い一方で成長は底堅さを保っており、企業の債務不履行への懸念は景気サイクルの次の下降局面に先送りされた。われわれはそうした局面がすぐに到来するとは予想していない」と述べた。

借り入れ比率の高い企業ほど、昨年末の下落幅と、年初からの持ち直しの幅がともに大きかった。

ロイターの分析に基づくと、ラッセル2000構成銘柄のうち昨年第4・四半期の値下がり率上位25%の企業は、借り入れ比率の中央値が41.1%で、1月の株価の平均上昇率が16.6%だった。半面、昨年第4・四半期の値下がり率下位25%の企業は、借り入れ比率は32.3%、1月の平均上昇率が4.7%にとどまった。

ただ、現在の景気拡大サイクルはあと数年で終わると見込まれており、企業の借り入れに対する不安が完全に消えたわけではない。

パウエルFRB議長は先週の会見で、企業の債務水準を注視していると発言。国際通貨基金(IMF)のリプトン筆頭副専務理事も先月末の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、企業債務は経済にとってリスクだと指摘した。

ホッジズ・キャピタル・マネジメントのポートフォリオマネジャーであるエリック・マーシャル氏のような小型株に楽観的な市場関係者ですら、銘柄の選択にあたって企業のバランスシートの点検を強化していると話す。

インバネス・カウンセルの首席投資ストラテジスト、ティム・グリスキー氏は、小型株の最近の持ち直しは値下がりトレンドにおける一時的な小康状態だと分析。「債務水準は小型株のみならず一部の大型株にとって引き続き問題になっている」と付け加えた。

(April Joyner記者)

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