May 28, 2019 / 1:12 AM / 2 months ago

米自動車関税、WTOで安保の正当性証明するのは困難=元判事

 5月27日、世界貿易機関(WTO)紛争処理機関のベテラン調停役であるジョルジュ・アビ・サアブ氏は、米国が検討している輸入自動車と部品への追加関税について、WTOで提訴された場合は米国が正当性を証明するのは「非常に難しい」との見方を示した。写真はWTOのロゴ。ジュネーブで2016年6月に撮影(2019年 ロイター/Denis Balibouse)

[ジュネーブ 27日 ロイター] - 世界貿易機関(WTO)紛争処理機関のベテラン調停役であるジョルジュ・アビ・サアブ氏は、米国が検討している輸入自動車と部品への追加関税について、WTOで提訴された場合は米国が正当性を証明するのは「非常に難しい」との見方を示した。

トランプ米大統領は今月、一部の輸入自動車と部品について安全保障上の脅威であるとの見解を表明し、安保を理由に輸入制限を認める通商拡大法232条の発動は正当化されるとの認識を示した。同法は昨年、鉄鋼とアルミニウムへの追加関税を決定した際の根拠になった。

米国は最大25%の自動車関税を発動することを検討しているが、安保例外規定の適用が認められない限り、WTOルールに明確に違反することになる。

この例外規定は2016年まではタブー視されてきた。WTOルール回避のために利用され、WTOが本来取り除くべき貿易障壁の導入につながるとの懸念が貿易の専門家の間で共有されていたからだ。

ただ、ロシアとウクライナの間の紛争やトランプ氏による関税発動を巡る訴訟で安保例外規定が焦点に浮上。

WTO最終審に当たる上級委員会の議長だったアビ・サアブ氏は自動車への例外規定の適用に対して訴訟が提起された場合、適用した側の主張が認められるとは思わないと述べた。「私が弁護士だったら弁護を引き受けないだろう。倫理的な理由もあるが、主張を認めてもらうことが非常に難しいと思うからだ」と語った。

トランプ氏は関税の判断を最大6カ月延期し、交渉相手の日本や欧州連合(EU)に猶予を与えた。関税が発動されない限り、相手国から提起された訴訟が審理されることはない。

WTOの紛争処理小委員会(パネル)は前月、ウクライナがロシアを提訴していた問題で、ウクライナからの輸出ルートを制限するのは安保上、正当な措置としていたロシアの訴えを認めた。安保を理由にした紛争案件でWTOが判断を下した初めてのケースとなった。アビ・サアブ氏はパネルの議長を務めた。

同氏は「戦略的原材料は自動車などの最終製品よりも正当性を証明するのが容易かもしれない」と指摘。その上で、武力紛争や治安悪化といった状況から「かけ離れている事案であればあるほど、安保とどのように関連しているのかについてさらなる証明が必要になる」と語った。

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